犬の「てんかん」は脳内の神経に異常が起こり、体のコントロールを失ってしまう疾患のことです。
症状は様々で、見逃してしまうくらいの小さな発作から全身を激しく痙攣させてしまうような発作まであり、数日から数週間のペースで発生するものです。
てんかんの発作が起こる数日前からよだれを流したり、落ち着きがなくなったりといった前兆が見られるようになり、その直後にけいれん発作を起こすことが多いとされています。全身が激しく震えて意識をなくすことや失禁をすることもあれば、体の一部が震える程度のこともあります。
「てんかん」には2種類あります。
特発性てんかん
原因不明とされることが多いてんかんで、遺伝の可能性が高いとされています。脳に障害やダメージがなく、脳波やMRIを行っても脳に異常がないもののことを言います。原因が不明なので抗てんかん薬を使い症状を抑える治療が行われます。
症候性てんかん
脳の一部、もしくは全部に異常があっったり、内科疾患などがあったりした場合にそれらが原因となって起こる障害です。この場合、てんかんの原因が分かっているのでその原因を取り除けば解決されると言われていますが、犬の脳の病気は外科手術で取り除くことが難しいため薬によって発作を抑える治療が一般的です。
てんかん発作が起こった時は、自然に発作が治まるまで待つことが重要です。愛犬は意識がないので体を抑えたりすると返って噛まれてしまうこともあります。大型犬であれば症状も激しく出るので、愛犬自身の体が発作によって危険にさらされないように日頃から高い場所で寝させないようにすることが大事になります。嘔吐を伴う場合は吐き出したものが喉に詰まってしまわないよう、気道を確保してあげましょう。
てんかん発作が初めて出たとき
てんかん発作が初めて出たときは、まず以下のようなことをよく観察します。
・発作を起こしたとき、何をしていたのか。
・発作の始まりは体のどの部分から始まったのか。
・どういう発作が起きたのか。
・意識はどうだったか。
・発作はどれくらいの間起きていたのか。
・発作が終わってから回復するまでにどれくらいかかったか。
その症状を細かく獣医に伝えることでてんかんの原因や今後の治療方法が決まってくるので、必ず以上のようなことを観察し、愛犬が落ち着いてから病院に行きましょう。
まとめ
実家で飼っていたラブラドールにこのてんかん発作が見られるようになり、病院で診断を受けたところ、骨髄腫の可能性があるとされました。
当時はその発作がてんかんだとも知らず、ただの痙攣だと家族一同思っていたのですが、脳に異常をきたし痙攣の発作が表れていたことを知りました。犬にとって脳の病気は施す手がない場合がほとんどです。
早い段階での治療で進行を遅らせられることもあるので、少しでもてんかんの症状かなと思うようなことがあれば、早期受診を行ってください。