我が家では基本的に里親に出されている犬を里子として迎えています。今は2匹いますが、4代目となるチワワも5代目となるトイプードルも里子です。
今回、このチワワの背中にマイクロチップが入っていることに気づき、変更手続き(データの書き換え)を行いました。これからはマイクロチップ義務化に伴い、きっと同じような事例が増えると思うので、データ書き換えの方法を紹介します。
マイクロチップの変更手続き方法は?
我が家のチワワは、元々の飼い主が安易な考えで繁殖犬にしようとして購入した犬でした。その人はそれまで犬を飼ったことがなく、ペットショップで売られている子犬の値段が高いことを知って、お金儲けになるんじゃないかと考えたようです。しかし、実際に子犬を繁殖犬にしようと飼ったものの、面倒を見るのが嫌になり、飼育放棄したところをボランティアで犬を救助している人を経由して、我が家にやってきました。
このチワワが我が家にやってきて1年が過ぎたころ、首に近い人間でいう肩甲骨あたりに何か入っていることに気づきました。
マイクロチップは長さ10ミリ程度、直径2ミリ程度の円筒形をした小さな電子タグのことで、チップごとに15桁の番号が記録されています。愛犬を撫でていて違和感に気づくようなものではなく、うちのチワワの場合は、よく伸びる皮膚を引っ張っていて気付いたくらい分からないものです。
マイクロチップの確認は動物病院へ
マイクロチップのデータを読み取るには専用の読み取り機器・リーダーを使って行います。動物病院であればほとんどのところに機器が常備されています。
読み取り方法は簡単で、マイクロチップが入っている所に向かって機器をかざすだけです。そうすると15桁の番号が機器に表示されます。この15桁の番号を使って登録されているデータを確認し、所有者情報が示されるようになっています。
マイクロチップのデータ管理は日本中医師会が行っている
マイクロチップに書き込まれているデータの管理は公益社団法人 日本獣医師会が行っています。
新規の登録であればマイクロチップ・動物ID登録申込書に必要事項を記載し、近くの動物病院で獣医師にも必要事項を記載してもらって郵送すればその後、登録証が郵送されてきます。
一度書き込まれたマイクロチップのデータは簡単に変更できるものではありません。マイクロチップが愛犬に既に入っている以上、元々の飼い主の名前で登録されています。この登録データは誰でも確認できるものではなく、日本獣医師会、もしくは情報閲覧を許可されている一部の機関だけが可能です。
動物病院で調べてもらった15桁の番号を日本獣医師会に電話連絡し、そもそも登録されているマイクロチップが有効なものかをまず確認します。
マイクロチップのデータの書き換え
マイクロチップのデータは基本的に書き換えを行わないのが前提です。
しかし、居住地の変更や愛犬の死亡などの際にはマイクロチップのデータの書き換えを行わなくてはいけません。
マイクロチップに登録した本人が書き換えを行う場合
マイクロチップに登録されている飼い主本人がデータの書き換えを行う場合は、日本獣医師会のマイクロチップ担当に連絡をし、住所変更などの手続きを行うだけです。FAXを使って書面で変更するよう勧められるので指示に従い変更を行います。
また愛犬が死亡した際にも日本獣医師会に連絡し、マイクロチップデータの削除を行う必要があります。
マイクロチップに登録した本人以外がデータの書き換え依頼を行う場合
既に愛犬にマイクロチップが埋め込まれている場合、簡単にデータを書き換えできるわけではありません。
まず日本獣医師会、マイクロチップ担当に電話連絡し、データの書き換えを行いたい旨を伝えます。
そうするとマイクロチップ担当から紙に ①書き換えたい飼い主の氏名 ②書き換えたい飼い主の住所 ③埋め込まれているマイクロチップの15桁の番号 ④愛犬の名前 を記載し、身分証とともにFAXで送るように指示を受けます。
そうすると送ったデータをもとに、日本獣医師会がまずもともとの飼い主に連絡を取り、データを書き換えていいかの確認を行ってくれます。ここで元の飼い主がすんなり書き換えを許可すれば、飼い主の情報が変更されるようになります。
ただし、元の飼い主が書き換えを拒否した場合は、データの書き換えが行えないそうです。
今回、我が家のチワワのデータ書き換えを行う際に、もし元の飼い主が拒否したら…といろいろ考えました。もともと思い付きで犬を飼い始めたくらいの人なので、もしかしたら「あの犬は窃盗された」とか言い出したらどうしようとか、「あの犬を返せ」なんて言われたらなんて考えてしまったんです。
それくらい行動が予測できない人だと保護したボランティアさんから聞いていたので、若干不安でした。「そこまでしてデータを書き換えなくてもいいんじゃないか」という意見も周囲から出たほどです。
獣医師会はあくまでもデータの登録、管理を行っているところであって、そういったトラブルには対処してくれることはありません。もちろん、元の飼い主に問い詰められたからといって令状もなしに書き換えを依頼している新しい飼い主の個人情報を晒すこともありません。
マイクロチップの変更手続き完了
マイクロチップのデータ書き換えに要する時間は、だいたい3週間から4週間です。
もちろん元の飼い主がデータの書き換えを承諾してからの時間になるので、元の飼い主がすんなり「OK」といわなかった場合には、もっと時間がかかってしまったり、書き換えができなかったりしてしまいます。元の飼い主からデータの書き換え許可が出ても、わざわざデータの書き換えを行う前に、日本獣医師会が連絡してきて「書き換えの許可が出ました!」なんて報告してくれることはありません。
「元の飼い主に拒否られたらどうしよう」という不安を抱えながら、3週間くらいたったある日、郵送にて登録完了通知が届きました。
届いた書面には我が家で名づけられた新しい名前が明記されています。
この書面が届いて初めて、元の飼い主がすんなり「OK」したんだなと悟りました。ある意味、このチワワは本当にいらない、と言われたみたいで心さみしくなりましたが、無事書き換えができて安堵です。