歯は人間にとっても犬にとっても大切なもの。だけど犬のオーラルケアとなるとなかなか難しいと思って諦めている人も多いのではないでしょうか。
そんなときに活用したいのが犬用のオーラルグッズです。犬用のオーラルグッズは人間さながらの歯ブラシからスプレータイプのものまで、さまざまなアイテムが取り扱われています。
今回は最も手軽に利用できるであろう犬用の歯磨きガム、デンタルガムについて詳しくご紹介しましょう。
そのガム選びは本当に正しい?ガム選びのポイント
愛犬にガムを選ぶ際、成分にばかり気を取られがちですが、成分よりももっと気を付けるべきポイントがあります。このポイントこそ多くの人が誤解している点で、愛犬にとって負担になっている可能性が大です。
硬い方が汚れがよく取れるは大きな勘違い
ガムを選ぶ際に「硬い方が汚れがよく取れる」と思っていませんか?
確かにフライパンに焦げ付いた頑固な汚れを落とすのには、硬い金属たわしの方が簡単に汚れを落とせますが、愛犬の口の中は金属ではありません。犬がいくら噛む力が強くても、口の中が鉄でできているなんてことはないですよね。
犬の歯は本当はもろく、硬いものを噛むと臼歯が割れたり、犬歯が欠けてしまったりと簡単にしてしまいます。
オーラルケアを行うのに歯そのものを傷めてしまっては意味がありません。また硬いものでも犬はおいしいものなら何とかして食べようとします。
その結果、丸呑みしてしまうということも多々あります。しっかり噛むことができなければ歯磨きガムの意味がありません。
さらに硬いものの多くは、硬いがゆえに噛んでも細かくなりにくく、食い込まないため歯の根元の歯垢に届きません。そうなると結局歯に付着した汚れが取れないままになってしまいます。
ガムを選ぶ際は、硬さに気を付けながら繊維質になり、歯の汚れをしっかりと取ってくれるものを選ぶことが重要です。
ガムのサイズは愛犬に合ったものでないと危険!
市販されているガムをそのまま愛犬に与えているという人も多いのではないでしょうか。商品によっては、小型犬用、中型犬用、大型犬用などと分かれているものもありますが、ガムを選ぶ時にはこの「サイズ」にも気を付けなくてはいけません。
大きすぎるガムは口の中を傷つけてしまったり、顎が外れる原因になってしまったりします。反対に小さすぎるガムは、丸呑みする原因になり消化管で詰まってしまうこともあるので非常に危険です。
ガムを与えるときはしっかりと噛める大きさにすることが重要です。市販のもので小型犬用や〇㎏~〇㎏以下と書かれているものは、その指示に従いあげるようにしましょう。ちょうどいい大きさが分からない場合は、獣医師に相談すると「この商品なら3等分してあげて」などと教えてくれます。
ガムの種類について
犬用のガムは大昔から利用されているもっとも手軽なオーラルアイテムです。最近では口臭予防や歯石除去効果の高いガムをデンタルガムと専用の部類に分けていうこともありますが、基本的に「ガム」といわれるものはオーラルケアを目的にしたものです。
ガムは天然素材そのものを使ったものもあれば、加工してよりオーラルケアを目的としたものなど様々あり、愛犬の好みやアレルギーなどによって選んでいきます。
牛皮・豚皮・馬肉・魚の骨などの天然素材
昔からあるガムとして知られているのが、牛皮や豚皮、馬肉、魚の骨などを使った天然素材のものです。天然素材のガムの方が利用されることが多く、より多くの種類が流通しています。大型のペットショップなどでは七面鳥やシカ、タラの皮、サメの皮などのガムの扱いもあります。
天然素材だけで作られているものが多く、添加物や保存料などが使われていないので愛犬に安心してあげることができます。歯石、歯垢除去に優れている一方、口臭の改善効果はあまりありません。
コーンスターチ・大豆などの植物素材
食物アレルギーや口腔ケアに配慮して作られていることが多いのが加工素材のガムです。トウモロコシや大豆などの植物素材が主成分になっていて、消臭効果のある成分や抗菌作用のある成分などが配合されています。
植物性のガムの多くはデンタルケアに特化しているような名前が付けられていますが、消臭効果、抗菌作用の成分は多少含有されているものの、基本的にはその構造で歯石や歯垢を落とすようになっています。
ガムで歯磨きを効果的に行う方法
「ガムをあげてもあまり効果がなかった」という経験をしたことがある人もいるかもしれません。ガムの効果をあまり感じられなかった人はもしかしたら、ガムをただあげていただけではないでしょうか。
ガムは噛むだけでオーラルケアができる非常に便利なアイテムですが、ただ与えれば良いというものでもありません。ガムは愛犬がしっかりと噛むことによって効果が得られるもので、噛み方が甘かったり、歯垢のある歯で噛まなかったりすると期待した効果を得られないこともあります。
ガムを効果的に使うのであれば、飼い主が手に持って、ケアしたいところにガムが当たるように愛犬に与えることが大切です。
奥歯で噛ませるようにしっかり与える
愛犬にガムを手に持ってあげる際、特にポイントになるのが上顎の奥歯です。第4前臼歯といわれる上の歯と第1後臼歯といわれる歯の部分になり、歯石が得につきやすい部分です。
ガムを手に持って奥歯で噛ますような感じで与えると、第4前臼歯、第1後臼歯をケアできます。
毎日あげないと効果がない!
ガムでオーラルケアを行うのであれば、毎日あげなくては意味がありません。犬の歯垢はわずか3~5日で歯石になり、そのスピードは人間の5倍から8倍の速さです。
歯垢のうちは簡単に落とすことができても、歯石になるとなかなか落とすことが難しくなり、ひどい場合には動物病院での手術によって落とさないと取れないものになってしまいます。
また犬は中高齢になると歯石ができやすくなり、口臭なども強くなるため、毎日の習慣でガムを取り入れることは非常に重要です。
実際に使ってよかった!おすすめしたい愛犬のガム
我が家でもガムは頻繁に愛用しています。我が家の犬たちは元保護犬で、歯石除去手術をした子もいます。そのため歯はあまりきれいな方ではなく、オーラルケア目的でガムは利用していて、まだ1歳のチワワは予防の意味を込めて使っています。
ベッツドクタースペック デンタルガム
使って効果を実感、リピートしているのがPETKISSのベッツドクタースペック デンタルガムです。
歯磨きでお馴染みのLIONが手掛けている商品で、動物病院などによく置いてあり、我が家も動物病院からおすすめされて使い始めました。
独特の形状をしたガムが特徴で、弾力があり、我が家の犬たちもしっかり噛みながら食べています。抗菌作用があり、食物繊維が豊富な明日葉抽出物が配合されていて、噛んだ後はスッキリした感じがあります。
ちなみに我が家のチワワは1歳半で体重1.2キロと小さいため、獣医師の助言で3分の1にカットしてあげています。
C.E.T.ベジデントフレッシュ
アメリカの獣医口腔衛生協議会が認定した歯石への予防効果が認められる製品にのみ与えられるVOHCマーク取得のデンタルガムです。ザクロエキス、イヌリン、エリスリトールが配合され、口腔内と腸内の健康維持に働きかけてくれます。
手で折れるくらいの弾力で、少し大きい印象です。
動物病院に置かれていることが多く、ペットショップには置いていないこともあります。愛犬が喜んで食べてくれ、食べた後さわやかな感じでおすすめです。
グリニーズ プラス
デンタルケアアイテムで広く知られているのがグリニーズプラスです。ペットショップでの取り扱いも多く、気軽に使えると人気のアイテムです。アメリカの獣医口腔衛生協議会が認定したVOHCマークも取得しています。
独自の形状をしていて、弾力性と柔らかさを兼ね備えています。ガムを丸呑みするワンちゃんのために、高い消化性を実現しているので安心してあげることができます。
PETKISS 食後の歯みがきガム
ベッツドクタースペックよりも値段を抑えて作られている商品で、ペットショップで気軽に購入することができます。
繊維状になったガムが集合し、太いロープのようになっている構造で、歯のブラッシング効果が期待できます。ベッツドクタースペックよりも柔らかく、おやつにもなるアイテムです。
オーラルケアアイテム 番外編
デンタルガムは噛むことによって歯をきれいにできるもっとも簡単なオーラルアイテムです。それでも愛犬によってはガムが嫌いだったり、食べ好みがあったりでガムでもケアできないという人もいるかもしれません。
そこで「番外編」として、我が家で使っているオーラルスプレーをご紹介しましょう。このオーラルスプレーですが、商品によってはデンタルガムよりも効果が高いものもあり、ワンちゃんの口臭で悩んでいる人や頑固な歯石で悩んでいる人は参考にしてみてください。
リデンタ
獣医師推奨の短期間でオーラルケアができるスプレーがREDENTAです。天然由来成分からつくられているリデンタは、強力な抗酸化作用で歯石対策ができ、腸内環境から口臭対策を行ってくれるので徹底的にケアすることができます。
歯石がひどかった愛犬にと動物病院で勧められて使用し始めたのですが、使っているうちに歯石が気にならなくなり、きれいな歯を取り戻すことができた感動のアイテムです。
ベッツドクタースペック オーラルスプレー
動物病院で取り扱われているオーラルケアスプレーです。口臭が気になる愛犬のために動物病院で購入しました。
使うとクランベリーのさわやかな香りになります。愛犬にはデンタルガムにプラスして使用していて、歯磨きが苦手なワンちゃんでも気軽に使えるスプレーになっています。