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犬のマイクロチップとは?【メリット・デメリットを解説】

現在、多くの愛犬家に浸透し、装着している愛犬も多いマイクロチップ。

2019年の国会で装着義務化の方針が決定しましたが、まだマイクロチップに対してよくないイメージを持っている人も少なくありません。

ペットショップで始めから装着されていたから、とりあえずつけているという人もいます。

着けた方がいいと病院で推奨されたから着けているという人、犬の体に良くないって聞いたから着けていないって言う人など、さまざまなケースがあるかと思います。

今回はマイクロチップの義務化とマイクロチップの本当のところについて詳しくご紹介したいと思います。

結論から申し上げますと、「マイクロチップ」は必要です。

 

犬のマイクロチップとは?メリット・デメリットは?

マイクロチップの装着は愛犬と飼い主を繋ぐ、唯一の手段です。マイクロチップの装着は2019年の改正法で義務となりますが、既に犬を飼っている人に対しては努力義務になります。

下記がメリットになりますので、わかりやすく順番に解説します。

・メリット①:何かあった時、すぐに身元確認ができる
・メリット②:体への負担が少ない
・メリット③:信頼性がある(情報の書き換えが難しい)

メリット①:何かあった時、すぐに身元確認ができる

マイクロチップのメリットは情報確認が確実に取れることにあります。連絡先なら首輪や、ハーネスに書いてあるから問題ないと思う人もいるかもしれません。。

しかし、首輪やハーネスはいつ外れるかわからないし、いつどこで愛犬がいなくなるかもわかりません。

マイクロチップであれば愛犬が発見され次第、マイクロチップが埋込まれていることを確認した動物病院や自治体動物愛護センターの関係者がインターネット上でデータを検索し、埋込まれたマイクロチップ番号を照会してくれます。そして、情報方がわかり次第、飼い主に保護連絡がくる流れになっています。

ちなみにデータベース登録には、飼い主情報として、氏名や住所、電話番号、Eメールアドレス、愛犬の情報(名前、生年月、性別、種類など)を登録します。

登録に少々手間はかかりますが、ペットのもしもを考えれば必要だといえます。

メリット②:体への負担が少ない

マイクロチップを不安に思う理由で多いのが、安全性です。マイクロチップといえども体に異物を入れるわけですから当然心配になりますよね。どの程度の負担になるかは自分の体に埋め込んだことはないので、わからない部分は確かにありますが、環境省のページにこんな感じでイメージが書いてありました。

・通常の注射針より少し太い専用のインジェクター(チップ注入器)を使って体内に注入します。正常な状態であれば、体内で移動することはほとんどありません。
・痛みは普通の注射と同じくらいといわれており、鎮静剤や麻酔薬などは通常は必要ありません。
・埋込場所は、動物の種類によって異なりますが、犬やねこの場合では、背側頚部(首の後ろ)皮下が一般的です。

環境省:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html

鎮痛剤や麻酔薬は必要ないと書いてあるので、問題はないかと思います。また日本国内での動物体内に埋め込んだマイクロチップの副作用、ショック症状の報告は未だ1件もないのが現状です。実際最近、うちのチワワ(1歳)にマイクロチップを入れたのですが、暴れることなく一瞬で終わりました。

マイクロチップの埋込みは獣医療行為になりますので、お近くの動物病院に相談してみてください。

メリット③:信頼性がある(情報の書き換えが難しい)

これも当然といえば当然ですが、一般人が簡単に書き換えることは難しいです。マイクロチップの情報を改ざん・消去はほぼ不可能です。

また電池で動いているわけではないので、体内から取り出す必要もないです。

信用しすぎるのも良くはないですが、ペットを守る材料の一つとして考えておきましょう。

実際、マイクロチップとはどのような物なのか?

マイクロチップは日本語に直訳すると微小の板片と言う意味ですが、電子系用語では電子番号札、電子板と言う意味になります。

そのなかでも動物用のマイクロチップは長さ10ミリ程度、直径2ミリ程度の円筒形をしたさな電子タグのことで、チップごとに15桁の番号が記録されています。。

このマイクロチップを注射器のようなものを使って動物の体内に直接埋め込み、専用の機器を使って電子タグに記録されている番号を読み取り、その番号を元に登録してある個体情報を確認するというものです。

マイクロチップは一度体内に着装すると、脱落したり、消失したりすることはほとんどありません。またデータが書き換えられることもないため、最も確実な飼い主証明になります。

マイクロチップから発信される電波は電池不要で半永久的に使用できるものです。

この電子タグは動物用のマイクロチップだけでなく、ETCシステムで使われていたり、SuicaやPASMOなどの交通機関カードで使用されていたりと様々なところで使用されています。

動物用のものとしての運用は、犬の識別で使われる前からや牛などの家畜や馬の識別に使われていました。実はマイクロチップは体への負担や痛みがないため、鳥類や爬虫類、カエルなどの両生類、魚類などさまざまな生き物に装着することができます。

それが、犬への識別として広く普及したことによって、マイクロチップの存在がこれほど有名になったんですね。

マイクロチップの装着の背景

マイクロチップの装着が日本で非常に高まったのは、東日本大震災後ということが報告されています。

もちろん、それまでにも獣医師会で普及させようと様々なキャンペーンは行われていましたが、飼い主自らの意思で装着が増えたのは大震災後が多いということです。

これは大震災時、ペットとはぐれてしまった人、救助隊などが助けたペット、死んだペットと再会できた人がマイクロチップを装着していたということがあったからです。

マイクロチップを装着していると例え見た目が変わってしまっても、飼い主の元に返ってくることが出来るということです。

家族として飼っていたペットがどんな姿になってしまっても自分たちの元に返ってきてほしいという意思の現れから、装着する人が増えました。

マイクロチップを装着しない人の中には、迷子になっても保健所などではリーダーを使ってくれない、置いていないなどという人がいますが、今は整備が進められ基本的に公的動物関係所ではリーダーが置かれています。

また、迷子札を着用しているから必要ないという人もいますが、迷子札が取れてしまえば迷子札は役に立たなくなってしまいます。

そもそもマイクロチップはどちらかというとそのペットの所在が誰にあるのかを特定するものなので、ペットの飼育放棄や遺棄をなくすためのものだと考えた方がいいかもしれません。

もちろん、迷子になった子が心ない人に連れて行かれ、そのまま飼われてしまえば飼い主を特定することは出来ません。

見つけてくれた人が親切で動物病院などで読み取って飼い主を探してくれれば別ですが、迷子札も併用しておくことをおすすめします。

埋め込み方法

マイクロチップは一般的な注射針よりも少し太い専用のチップ注入器を使って体内に装着します。一度装着したマイクロチップは、よほどのことがない限り体内で移動することはありません。

装着時の痛みは、通常の注射と同じくらいのもので、なにか特別に麻酔や鎮静剤などを使用したりということはありません。

埋め込み場所は犬や猫では首の後ろの皮下が一般的で、犬は生後2週齢から装着することができます。

歴史

ペット用のマイクロチップは家畜などで使用されるようになった後の1986年頃から欧米を中心に使われはじめました。

まだその当初は各メーカーが独自で作っていたため、マイクロチップや読み取り機器に互換性はありませんでした。

その後1994年にISO11784の家畜のコード体系が制定され、対象動物が全ての動物になりました。

日本には1997年に導入され、1998年にマイクロチップのデータ統一管理が開始されました。

2002年にマイクロチップ普及啓発促進が進められ、現在では日本獣医師会がデータ登録を行っています。

日本では2004年に「犬等の輸出入検疫規則」の改正が行われ、日本へ動物を輸入する場合はISO規格のマイクロチップの埋め込みが義務化されました。

2006年には「動物愛護管理法」に基づき、環境省より愛玩動物の所有明示方法としてマイクロチップによる方法が示され、保健所や動物愛護センターなどの関係行政機関でのマイクロチップ読み取り機器設置などの整備が進められ、マイクロチップデータ管理のあり方が示されました。

これにより、全国一律の方法でのデータ管理がされるようになり、ペットショップではマイクロチップ埋め込み動物の販売が行われるようになりました。

うちのチワワたちも海外渡航する際に、日本に帰国することを見越して日本でマイクロチップを装着しました。

装着していないと日本へは一切入国できないのです。

マイクロチップには賛否両論あって、「愛犬への健康被害が出るのでは?」と心配した声が反対派の意見として一番多く上がっています。

安全性

マイクロチップの埋め込みによる安全性への心配は様々な声が上がっていますが、実際のところマイクロチップの埋め込みによる動物への障害はほぼゼロです。

さらに言えば、日本国内での動物体内に埋め込んだマイクロチップの副作用、ショック症状の報告は未だ1件もないのが現状です。

動物用のマイクロチップは動物の体内に埋め込んでも副作用などが起きないように、生体適合ガラスや生体適合ポリマーで作られています。

もちろん過去には海外で副作用の症例があったと報告されていますが、何千万件埋め込んだマイクロチップのうち2件で、ワクチンによる副作用より低い数字です。

さらに、副作用の症例が報告されたのもマイクロチップが出始めた初期の頃で、現在ではさらに研究が進められより安全性が高いものになっています。

またマイクロチップが電子機器ということもあって、磁界による体への影響が心配されていますが、これも体への影響は認められていません。

なのでレントゲンやCTスキャンを撮っても精密な機器への影響も出ていません。

非常に大きな研究機関や病院で使われているMRIであれば内蔵されたマイクロチップの影響で画像の歪みが起こることがありますが、一般の動物病院で使われているMRIの画像では形状が出ない程度なので、体への影響は認められていないということです。

マイクロチップの着用は義務?

動物の虐待などを禁止し、動物を愛護、管理することを定めた動物愛護管理法は5年に1度、見直しされるようになっています。2018年から2019年にかけてがちょうど見直しの時期で、今回の改正ではマイクロチップの義務化が決定する方針となっています。

ちなみに今回のマイクロチップの義務化ですが、すでに飼育されているペットに対しての装着は「努力義務」になり、マイクロチップを装着させなければ罰則というわけではありませんが、日本の法制上「するように努めなければならない」作為義務になります。

具体的な対象者は?

今回の改正で義務化されるのは、繁殖を行うブリーダーやペットショップなどの販売者で、飼い主の手に渡る前にマイクロチップを埋め込むことになっています。

その目的は適正な生命の管理にあり、ブリーダーやペットショップなどが大量に犬や猫を遺棄する事件が相次いだことが影響しています。

ブリーダーやペットショップによる犬猫の大量遺棄、不法投棄はニュースでも取り上げられるほど問題となっていて、命が大切に扱われていない、命をお金としか見ていないことが浮き彫りになっています。今回の法改正で、マイクロチップを義務化することにより、ブリーダーやペットショップによる不法投棄、大量遺棄の抑制を狙っているというわけです。

罰則になるケース

もちろん、マイクロチップの義務化を行うことで、捨て犬や捨て猫を作らないことへの抑止も盛り込まれています。

動物愛護管理法では、ペットは死ぬまで飼い続ける責任が飼い主にあることが明記されていますが、実際は途中で飼育放棄する人が多く、ペットが捨て犬や捨て猫となるケースが後を絶ちません。マイクロチップの義務化によりこの捨て犬、捨て猫の抑止につながること、また迷子になったときに飼い主に確実に連絡が取れることに繋がると期待しています。

マイクロチップの義務化でペットを飼い続けることへの責任を飼い主に誓わせる形になった今回の改正法では同時に、ペットの殺傷に対する罰則として「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に強化され、虐待や遺棄の罰則に「1年以下の懲役」が加えられています。

マイクロチップのメーカー

ペット用のマイクロチップにはいくつかの規格があり、日本ではISO11784に適合しているFDX-Bという規格が流通しています。

ISO11784コード体系の規格では、個体識別番号が世界で一つだけあるという唯一性を保障するもので、日本では15桁の識別番号のうち最小の3桁が日本国番号392で、次にある14がペット用コードとなっています。

日本では現在、4社がマイクロチップの輸入販売を行っていて、メーカーごとにさらに決められたコードを使っています。

読み取り機器、リーダーにおいてはISO11785の規格で、FDX=BとHDXの両方を読み取れるものが認められています。

これは日本国内であれば流通しているマイクロチップと読み取り機器で全ての個体が識別できるようになっているということです。

海外の状況

マイクロチップの世界での普及率は、ここ数年で飛躍的に伸びています。

ヨーロッパやアメリカではペットへのマイクロチップを装着なしで入国することが禁止されていて、さらにヨーロッパやオセアニアではペットへの装着が義務化している国も年々増えています。

日本も検疫で日本へ入国するペットへの装着が義務化されています。

マイクロチップの規格は、ヨーロッパ、オセアニア、アジアの一部では日本と同じISO国際規格を採用していて、このISO国際規格のものであれば、メーカー関係なく、マイクロチップやリーダーが読み取りをすることが出来るようになっています。

アメリカではISO国際規格でないものがこれまでに広く流通し、米国獣医師会や規格協会ではISO規格を推奨しているにもかかわらず、統一が出来ていないのが現状です。

ちなみに、うちのチワワたちは病院で装着してもらった時、日本の空港の検疫で確認された時、フィリピンの動物病院で血液検査をした時、と装着後半年で3回も読み取ってもらっていますが、リーダーのメーカーは違っても無事読み取りがきちんと行われました。

マイクロチップにもデメリットもあるので要注意です

物事にはメリットがあればデメリットもあります。ではどのようなデメリットがあるのでしょうか。

もうこれしかないですけどね。。。

費用?価格?コスト?要するにお金の問題

費用に関しては動物病院によって医療費が違ってきますので、要確認ではあるのですが、一般的には数千円で収まりそうです。

その他、犬の情報を登録する登録料として別途1000円必要になります。1万円持っていれば安心です。

各自治体によっては費用の一部負担を行っているところもあります。事前に調べておくのもおすすめです。

まとめ

マイクロチップの知っているようで知らない話、いかがでしたでしょうか。

装着するまでは私も少し抵抗がありましたが、最近はペット博のようなイベント会場で無料装着してくれることもあります。

着けたからといって、愛犬に変化がある訳でもなく、いつもと変わらないですが、いつ何があるか分からないことを考えると着けていて安心かもしれません。

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