犬の体調不良の中でもよく見られるのが「下痢」です。
下痢は体質によるものも多く、頻繁に下痢の症状を起こす子もいるので、すぐ病院に連れて行くべきかどうか悩むことも結構あると思います。なかなかプロの獣医でもない限り、素人が下痢の原因を判断するのは難しく、誤った判断で愛犬を危険にさらすこともあります。
まずは、下痢の原因になりそうなことがないかしっかり考えて、便を観察し、嘔吐や血便などの症状が見られないようであれば少し様子を見ましょう。2日以上下痢が続くようであれば、便を採取し獣医師に見せるようにしてください。
下痢には大腸性のものと小腸性のものと2種類あります。
大腸性の下痢
大腸性の下痢では体重の減少がみられず、便の量もいつもとほとんど同じです。大腸は水分の吸収を作用する器官なので、大腸性の下痢の場合、水分を多く含んだ下痢をすることが多く、回数も少し増えます。便にゼラチン上の粘膜が付着していたり、鮮血が見られたりする場合も大腸性の特徴です。
小腸性の下痢
小腸は栄養を吸収する働きを持つ器官で、小腸性の下痢の場合、栄養の吸収が行えなくなり体重減少がみられます。便の量も増え、貧血にもなりやすくなります。お腹を触るとゴロゴロという音がしたり、おならが出たりするのも小腸性の下痢の特徴で、口臭がキツくなることもあります。
慣れてくれば小腸と大腸どちらに問題があるのかが分かるようになりますが、どちらで起こっていたとしても、下痢を起こすような原因が思い当たらず、愛犬が元気なく下痢が続くようであれば、腸内の疾患や病気を疑う必要があります。
愛犬の下痢を引き起こす要因
ストレスや疲れによるもの
普段と違う環境でストレスを感じると下痢を起こす子もいます。ペットホテルや美容院、イベント、引っ越し、遠出などのストレスや疲れが胃腸を刺激し、下痢の症状を起こします。
食べ物によるもの
毒性のあるもの、食べさせては行けないものを口にした時に起こる中毒症状の一つです。食べたものの中毒性により症状は変わりますが、少量でも口にすると下痢を起こすこともあります。また食物アレルギーを持っている場合も下痢の症状を起こします。
寄生虫
回虫、爪実条虫、鞭虫、糞線虫、鉤虫、コクシジウム、マンソン裂頭条虫、ジアルジアなどが寄生することで、下痢の症状が見られます。
ウィルス感染や細菌感染
犬パルボウィルスや犬ジステンバーウィルス、コロナウィルス、大腸菌、サルモネラ菌などのウィルスや細菌によっても腸に不調をきたし、下痢の症状を起こします。
病気によるもの
内蔵の不調や疾患、胃や腸の腫瘍、悪性リンパ腫が原因で下痢の症状を起こします。
体の冷え
人間同様、犬もお腹が冷えてしまうと下痢をすることがあります。
こんな商品もありました
ペット用の下痢止めなど、Amazonで検索したところ少しだけ出てきたのでご紹介します。
原因に合った下痢治療を
下痢の治療を行うには、まずその原因が何かを把握してからその原因にあった治療法を行っていく必要があります。下痢が起こる前後の様子を良く観察し、食べたものが悪かったかどうかや体が冷えていないかなどをまず確認して、下痢の症状が一過性のものなのかどうかを判断することが大切です。
下痢以外に愛犬の様子があまりにもおかしい場合は早い段階で獣医師に診せ、的確な治療を行っていきましょう。