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人間の赤ちゃんと愛犬の関係性とは?【ママ必見です】

2017年3月に東京で起きたゴールデンレトリバーが10か月の赤ちゃんを噛んで死亡させてしまったというニュース。世間に衝撃が走りましたよね。

でも愛犬が人間の赤ちゃんを噛んでしまう事故は世界中で起こっている事故で、珍しいケースではありません。普段はおとなしい愛犬がどうして?と飼い主は思うかもしれませんが、本当に愛犬の性格を十分把握して一緒に暮らしているという自信を持てる人がどれくらいいるでしょうか。

今回は少し、小さな子供、赤ちゃんと愛犬の関係についてお話します。

人間の赤ちゃんと愛犬の関係性とは?

現在日本では少子化に比例するようにペットが空前の大ブームとなっています。日本人の2人に1人が何らかのペットを飼っている昨今、犬が身近な存在なのは間違いありません。小さな子供や赤ちゃんとともに犬を飼っているという人もいれば、実家で犬を飼っているという人も多いですよね。

我が家でもチワワ2匹、実家には大型犬2匹に中型犬1匹飼っていて、犬は欠かせない存在です。その犬ばかりの家に昨年、私の赤ちゃんが生まれました。生まれたばかりの赤ちゃんはチワワと並べてもさほど大きさは変わらないくらい小さなものでした。多分、赤ちゃんがいて犬を飼っている人の多くが、私のような犬を先に飼っていて後から赤ちゃんが生まれたパターンだと思います。

犬にとって後から来た赤ちゃんは格下の存在

いくら人間が赤ちゃんを犬より優先してかわいがっていたとしても、犬にとっては赤ちゃんは後からやってきた存在でしかありません。つまり、犬にとっては赤ちゃんは自分より下の存在だということになります。

犬は上下関係が絶対の生き物です。犬にしてみれば、あとからやってきた赤ちゃんは自分より下の存在でしかないのに、飼い主を独り占めして、邪魔な存在でしかありません。飼い主にとっておとなしくて、いい愛犬であっても、愛犬の心境は本当に複雑なものです。まず、このことは覚えておくようにしましょう。

実家にいる犬と赤ちゃんの関係性

自分で犬を飼っていなくて、実家で犬を飼っている場合、赤ちゃんと犬はどういう関係だと思いますか?

実家で犬を飼っている場合、犬にとって飼い主は実家の両親ということになります。両親のいうことはよく聞く犬でも、それ以外の人の言うことは聞かないということはありますよね。犬にとってのボスは両親しかいないためです。

たまに実家に帰っていて犬が私の顔を覚えてくれて、言うことを聞いてくれていても、私は犬にとって主人ではありません。それでも、犬が言うことを聞いてくれるのは私を自分(犬)よりも上に見てくれているからです。

実家の犬にとって赤ちゃんは部外者

では、その私の赤ちゃんに対して実家の犬はどう思っているのでしょうか。実家の犬からしてみれば、赤ちゃんは全くの部外者。主人でもなければ上に見るべき相手でもありません。犬は赤ちゃんを不審者に感じたり、犬友達や自分以下の存在だったりにしか思っていません。

ちょっと遠くで赤ちゃんを傍観したり、近づいて何だろう?と匂いをかいでみたり、怖くて逃げたり、鼻で小突いてみたりして様子を伺います。実家のご両親にとって臆病な犬でも、部外者にとって同じだとは言い切れないことを覚えておきましょう。

オスとメスで違う犬の性格

どんな犬であってもほとんどの犬が後からやってきた赤ちゃんを下の存在に見ています。また子供が少し大きくなってから犬を飼い始めた場合でも、子供が小さすぎて犬が子供を下の存在に見てしまうこともあります。

とはいえ、下に見たからと言って犬が必ずしも危害を加えるわけではありません。ただもう一つ覚えておかなくてはならないのが、オスとメスとで犬の性格はまた違うということです。

上下社会の犬の関係性

犬は上下関係が絶対の生き物ですが、メス犬は母性を持つものも多く、上下関係が例外の場合もあります。それに対し、オス犬は飼い主に対して忠実な性格を持つ犬が多く、上下関係をより強く感じている犬もいます。

うちのチワワ2匹も、後からやってきた赤ちゃんをあまり快く思っていませんでした。特にオスのクリンのほうは生まれて間もない赤ちゃんを頭で小突き、あっちに行けと転がそうとよくしていました。

メスのヤヨイは赤ちゃんに近寄ることなく、逃げ腰で過ごしていました。そうこうしているうちに、赤ちゃんもハイハイをし、動きが活発になり、動くチワワに興味を持ち近づいていくようになりました。

それは愛犬にとっては恐怖でしかなかったようで、ヤヨイは逃げ回り、クリンは幾度となく赤ちゃんに噛みつこうとしていました。(クリンは里犬で、我が家にやってきたときからすべての歯がボロボロでまともに噛むことができません)

念のために言っておきますが、クリンもヤヨイも里犬で迎える前は繁殖犬として虐待を受けていた過去があるため、ほとんど吠えることもない臆病でおとなしい犬です。でもこれってよく飼い主が言うセリフと同じですよね。

実家での里帰り出産と赤ちゃんと犬たち

ここからは私の話になりますが、私は里帰り出産でチワワ2匹を実家に連れていき、総勢大中小5匹の犬の中で赤ちゃんを1か月近く育てていました。体重の重い順でいえば、メスのラブラドールレトリバー、メスのスタンダードプードル、オスのダックスフント、チワワ2匹です。犬はすべて家の中で放し飼い。

まずスタンダードプードルがいるところに、祖父が亡くなったため引き取ったダックスフントがやってきて、そして私の赤ちゃんが生まれる少し前に3代目のラブラドールレトリバーを飼い始めたという上下関係です。

私は畳の部屋で生後間もない赤ちゃんと寝起きをしていたのですが、実家の両親が万が一にでも犬が赤ちゃんを踏みつけたら危険だからと、ベビーベッドを用意してくれました。チワワたちはいつも遠くから赤ちゃんの様子を見るだけ。ラブラとダックスフントは赤ちゃんに興味津々です。ソファーで赤ちゃんを抱いていると犬たちがやってきて匂いをかいだりしていました。

それからしばらくして、赤ちゃんがハイハイするようになったころ実家に遊びに行くと、犬たちが総出で迎えてくれます。ダックスフントは赤ちゃんに自分の匂いをこすり付けようと体をスリスリし、まだ子供のラブラドールは勢いよく体当たり。プードルは赤ちゃんが怖いようで、一切近づきません。

赤ちゃんが歩くようになると、犬たちの体が少し当たってこけてしまったり、ラブのしっぽが鞭のように当たったりするようになりました。ダックスフントに赤ちゃんがスリスリするようになり、そのまま耳を引っ張ったり、毛を引っ張ったりするためダックスフントが逃げるようになります。スタンダードプードルはより一層赤ちゃんから逃げるようになりました。

赤ちゃんがダックスフントより少しばかり大きくなり、一人でご飯を食べるようになった最近では、赤ちゃんの食べこぼしを狙ってダックス、ラブ、プードルが赤ちゃんの周りを取り囲みます。

子供の成長とともに変わってくる犬との関係

逃げ回っていたプードルもようやく、少し赤ちゃんに体を触らせるようになりました。クリンやヤヨイも最近は自ら赤ちゃんのそばに近づいたり、抱っこされたりしています。でもこれは本当にいいケースの話で、これからもずっとこの調子と限ったことではありません。

実家にいるのが2代目のオスのラブラドールレトリバーだったら、冒頭でお話ししたゴールデンレトリバーと同じようになっていたかもしれません。実家の2代目のオスのラブラドールレトリバーは、本当に頭が賢く、飼い主に対しての忠誠心が強い犬でした。全く吠えることもなく、誰にでも頭を触らす一方で、主人以外は下に見ている性格の犬でした。

犬は犬種、性別によって性格が大きく異なる生き物ですが、それ以前に上下関係を非常に尊ぶ生き物で、上下関係によって性格が変わることもある生き物です。また犬も人間同様、育った環境や過去の経験などから個々が作られ、その犬その犬によって性格が変わってくる生き物です。飼い主と愛犬との信頼関係はあっても、赤ちゃんと愛犬との信頼関係があるかどうかは別問題です。

愛犬も赤ちゃんも飼い主もハッピーに暮らしていくために、それぞれにとっていい関係がどういうものかをよく考えることがまずは大切だと思います。どのように愛犬と赤ちゃんとを近づけていくのかは飼い主次第ではないでしょうか。

冒頭でお話ししたゴールデンレトリバーがその後どうなったのか、私は知りません。飼い主家族も赤ちゃんを亡くされた家族もやりきれない気持ちでいっぱいだと思います。ただそれでも願わくば、ゴールデンレトリバーが処分されていないことを祈ります。

最後に

愛犬も赤ちゃんも大切な家族ですが、人間は赤ちゃんが生まれてくるということが分かっていて、受け入れる準備ができていても、愛犬が同じように赤ちゃんという存在に準備ができているわけではありません。愛犬と赤ちゃんの距離が縮まるよう、少しずつ慣らしていきましょう。



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