お散歩のときやごはんの時、まるで喜んでいるようにしきりに振るあの犬のしっぽは本当に不思議ですよね。
大型犬のしっぽになると当たるだけでも痛かったり、しっぽの短いピンシャーなどのしっぽがかわいくて笑ったりした経験があるかと思います。
骨が入っているはずなのにあんなに自由自在に左右上下どの方向にも動かせるしっぽ。私たちには付いていないあのしっぽが一体どういう役割を持っているのか今回はご紹介していきたいと思います。
しっぽは一体どういう役割を持っているのか
役割その1:方向転換でしっぽ
小型犬や中型犬を飼っている人は経験あるかもしれませんが、抱きあげたときや泳がせようと水面に近づけたとき、しっぽが妙な動きをするのを見たことありませんか?犬にとってしっぽは体のバランスをとったり、複雑な動きをするときには船の舵の役割を果たしたりして方向転換を助ける働きをするものになります。まさかのバランス取りの舵だとは意外ですよね。
役割その2:寒い時にしっぽ
寒い冬に犬が丸まって眠っているのを見たことがありませんか?その姿をよく観察すると、しっぽで鼻先を覆っていることがあります。犬にとって体温を調整する尾と呼吸器周りの保温をすることで体の体温を逃がさない役割をしています。逆に夏になると手足も尻尾も床に広げた状態になるのはこのためなんです。
役割その3:コミュニケーションにしっぽ
犬が感情を表すとき、人間同様に顔の表情を変えたり、耳に動きを出したりしてコミュニケーションをはかります。それと同じくらい感情が豊かに表れる部分がしっぽです。しっぽを左右に早く振ってうれしさを表したり、しっぽをピンと真っ直ぐ立て警戒したり、しっぽを足の間から体の中に隠すようにして恐怖を表したりしています。
役割その4:敵から身を守るしっぽ
これは犬だけでなく、すべての動物に当てはまることなんですが、動物のしっぽの役割の一つに敵から身を守ることがあります。敵と言っても大きな獣とかでなく、小さな虫です。しっぽのすぐ下は排泄器官になっていて、小さな虫は排泄器官や口などから寄生を試みます。牛や馬が寄ってくるハエなどからしっぽを振っているのを見たことがあると思いますがあれは本来のしっぽの役割です。家庭犬ではあまり見られなくなりましたが、実はそんな役割もあったんです。
しっぽの種類
「犬のしっぽ」と一括りで言いますが、実は犬のしっぽにも長さや毛の量などによって種類があります。
しっぽの種類 | かたち | |
シックル・テール | 緩やかに反り返り半円に巻いたしっぽです。 | チワワ・柴犬 |
プルーム・テール(プリュームテール) | 羽のようにふさふさした飾り毛が下方向に垂れているしっぽです。 | |
ウィップ・テール | 水平に真っ直ぐ後ろに伸びたしっぽです。 | ブルテリア |
オッター・テール | 根元が太く、先が細い短い毛のしっぽです。 | ラブラドールレトリバー |
カールド・テール | 背中のるくらい丸く巻かれたしっぽです。 | 秋田犬・チャウチャウ・パグ |
キンク・テール | 根元で短く、よじれたような曲がったしっぽです。 | フレンチブルドッグ |
クランク・テール | 下向きの尾で、先だけが少し上向きになったしっぽです。 | スタッフォードシャーブルテリア |
スクリュー・テール | ワインの栓抜きのように螺旋に巻いた短いしっぽです。 | ブルドッグ・ボストンテリア |
ハイセット・テール | しっぽの付け根が高い位置にあります。 | ドーベルマンピンシャー・ペキニーズ |
フラッグポール・テール | 背中に対して垂直に上に伸びた長いしっぽです。 | ビーグル |
しっぽの役割は多種多様
人間にはないしっぽがまさかこんなにたくさんの役割をはたしているなんて驚きですね。
感情の表現は知っている人も多かったかもしれませんが、体温調整やバランス感覚を保つためにも使われているのは知らなかった人も多いのではないでしょうか。
犬にとって大事なしっぽ。もしかしたらまだ知らないだけで他の意味もあるかもしれませんね。よく観察していると、うちの子だけが行うしっぽの使い方なんかも見つかるかもしれません。