「血統書」がついているだけで、その子犬が他の子犬より高かい値段で売られていることもありますよね。
血統書がついているから、高いと思われてしまうこともあるようですが、この血統書とは一体なんなんでしょうか。今回は意外に知られていない血統書についてご紹介します。
犬の血統書とは?
血統書はジャパンケネルクラブという、日本国内における犬の品種の認定及び犬標準の指定、ドッグショーの開催、公認資格試験の実施を行っている国際畜犬連盟に加入している農林水産大臣認可の団体が発行している犬の血筋を表したものです。
ジャパンケネルクラブでは血統書の定義を、「血統登録された同一犬種の父母似よって生まれた子犬に対して発行されるもの」とされています。そのなかでジャパンケネルクラブでは父母両方の3代祖血統が証明された犬でジャパンケネルクラブの審査に通るものであれば血統書を発行しているわけです。
つまり、血統が証明されている犬というのは、少なくとも過去4代祖まで血統が証明されている、ジャパンケネルクラブの標準規定を満たした犬ということです。血統書がこのような役割を果たすようになった背景には、過去に行われてきた犬の品種改良が関わっていると言っても過言ではありません。
現在の犬種というのは、品種改良に改良を重ねて作られてきたものがほとんどで、新しく作り出したその犬種を守るために、さらによりその個体の特徴を捉えた犬同士の掛け合わせが行われ、確固たる品種として確立されてきたものです。
その品種がブレてしまわないように血筋が証明され、それゆえに守られてきたのが今の犬種たちです。
血統書の始まりは、馬が最初だった
その昔、ヨーロッパで馬を売っていた人たちがより馬が売れるようにと、どういった血筋の馬かを覚えて販売していたことがあります。それがより確実なものになるよう、紙に書き表すようになり、血統書というものが出来たのが始まりです。
それが犬用の血統書として確立されはじめたのは、軍事用の犬が出回るようになった頃です。日本で血統書が確立されはじめたのも、世界大戦時に軍事用の犬が導入されるようになり、純血が求められるようになったからだとされています。
その後今のジャパンケネルクラブが先陣を切って血統管理をし始めたという訳です。血統書には純血を守るためという大きな役割があり、純血を守る人たちの手によってその品種が守られているところがあります。
血統書は必要?
ブリーダーの間では血統書が重視されることもしばしばあります。しかし、血統書がないからといってその犬が雑種であるという意味ではありません。
さらに血統書がないとどういうことが起きるのかというと、特に日常生活には支障がないということです。血統書があれば競技会に出たり、ドッグショーに出たり、チャンピオン犬になれたりと言ったことはありますが、そう言ったショーを目指さない犬であれば、血統書があるからといって何かある訳でもありません。
純血を守りたいというのであれば、その血を守っていく血統書は大事ですが、愛犬と接する上で必要ない人にとってはただの紙切れということです。
まとめ
血統書に重きを置くも置かないも飼い主次第ってことですね。もちろん、種が分からなくなってしまうくらい、犬種がいなくなってしまえばそれはそれで大問題です。
そう言った意味でもある程度はこういった血統書で品種を守っていくことも大事です。ただ、血統書があるから品があるとか値が張るという動物に対する考え方自体は少し見直した方がいいかもしれませんね。