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狂犬病の予防接種について【毎年必要なので要注意】

狂犬病についてあまり詳しく知らない人は多いと思います。

それでも、狂犬病の予防接種は受けなきゃいけないから受けているという人、狂犬病はもうないって聞いているから予防接種なんてしてないっていう人、そのどちらもいるのは事実です。

そこで今一度、狂犬病についてしっかり考えてみたいと思います。

狂犬病の予防接種について【毎年必要なので要注意】

毎年必ず受けていると思いますが、日本全国の犬の飼い主には狂犬病の予防接種が義務付けられています。

狂犬病には狂犬病予防法と言う法律が定められていて、毎年の予防接種を受けないと違法になり罰則が与えられてしまうんです。

だから桜が咲き始める頃になると動物病院や行政機関で一斉に予防接種呼びかけられ、打ち忘れがないようにみんなで工夫しているんですが、でもなぜ予防接種が毎年必要なのでしょうか。



狂犬病って何?

毎年世界中で約5万5千人以上の死者を出している非常に危険な病気が狂犬病です。感染した動物に咬まれたり、傷口や粘膜などからウィルスが侵入したりすることによって動物や人間に感染します。

狂犬病という名前がついていますが、これは犬だけの病気でなく、人を含むすべての哺乳類がかかる病気で、発症するとほぼ100%死亡してしまいます。

ただ狂犬病の感染動物に咬まれてもすぐ発症するわけではなく、1週間~3か月程度の潜伏期間があり、その間にワクチンを打てば回復できるとされていますが、実はその事例はまだ少ないんです。

狂犬病予防は予防接種だけ

狂犬病を防ぐ唯一有効な手段が感染前の予防接種です。日本では狂犬病予防法により毎年1回の狂犬病ワクチンの予防接種が義務化されていて、昭和25年に狂犬病予防法が施行されて7年で狂犬病を根絶、世界でも珍しく60年近くも狂犬病の発症が確認されていない国です。

これだけ聞くと、すごく安全な気がしますが、日本での発生がないと言うだけで世界ではまだまだ猛威をふるっている病気です。2006年にはフィリピンに滞在していた日本人男性2人が日本に帰国後、狂犬病を発症し亡くなっています。フィリピンの滞在中に犬にかまれたのが原因で、2人とも咬まれたことを気にしていなくて日本に帰ってから発症してしまったようです。

日本にも狂犬病ウィルスは存在している?

日本で飼育されているペットたちがいくらウィルスを持っていないと言っても、散歩や身の回りにいる野生動物の接触がゼロではなく、日本の野生動物が狂犬病ウィルスを絶対持っていないという保証もありません。

最近だと日本ではもうないとされていたデング熱が蔓延し日本中で一時パニックになったことも記憶に新しいと思います。あの原因も海外旅行中に感染した人の血液を吸った蚊が媒介したのが始まりでした。

いつどこから渡り鳥や海外からの侵入もゼロとは言えないので毎年予防接種をすることで愛犬を守ることができます。

予防接種が及ぼす愛犬への副作用を心配して「打ちたくない」と考えている人ももちろんいると思います。全世界でも義務化されていない国もあり、その予防接種の必要性が議論されています。

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諸外国の事情を見てみましょう。

イギリス

狂犬病予防接種は任意とされています。イギリスにももともと狂犬病があり、猛威をふるっていましたが日本同様、予防接種に力を入れ根絶が出来た国です。そしてイギリスは現在では島国という立地を生かし、外からしか入ってこないという所に着目し、検疫を重視するようになりました。また飼い主の意識レベルも高く狂犬病がどれくらい危険な病気かを知ったうえで、万が一発症した場合は速やかに処分することを同意していることも理由です。

オーストラリア

オーストラリアでは狂犬病予防接種は禁止されています。しかしこれは動物愛護目的ではなく、狂犬病予防接種を打つことによって免疫力がついてしまい侵入してしまったことに気づかないでいることを防ぐ為です。オーストラリアのように大きな土地になると感染する動物も限定するのが難しく、予防接種を打った犬は免疫力があり大丈夫でもそれ以外の予防接種を受けていない動物が感染しないとは限りません。オーストラリアではこのようなことを踏まえ、万が一感染が確認された場合はその地域の犬をすべて隔離し、必要に応じて処分するとされています。

アメリカ

アメリカは狂犬病予防接種を3年に1度とされています。これは日本と使っているワクチンが違うということが一つありますが、アメリカの場合広大な土地にいる身近な動物は犬だけではないからです。アメリカは恵まれた自然故に住宅地やオフィス街など至る所にリスやネズミ、タヌキやキツネ、コウモリが姿を現します。人間を脅威にさらすのが犬に限定されていないことが3年に1度のワクチンに繋がっています。

日本では?

では日本はというと、何度も言いますが毎年の予防接種が義務化されています。日本が使用しているワクチンは1年に1度打つタイプのもので、中からの発生を防ぐことが目的です。

もちろん検疫にも力は入れていますが、日本の検疫は犬にのみ厳しいのが実際のところです。さらにロシアからの漁船に乗って犬が来ることもあります。これは有名な話ですが、ロシアでは船の守り神として犬を乗船させることがあり、その犬を日本の漁港で遊ばせているのはよく目撃されています。日本は狂犬病の脅威にさらされているということです。

日本で一般に使われる狂犬病ワクチンは「不活性ワクチン」と言われるもの毒性を全く持たないで死んだ病原体や病原体の病原性のない部分から作られているものです。

それでも刺激がゼロではないので軽度の微熱やアレルギー反応を起こす子も極まれにいます。しかしアレルギーまで起こす確率は15000分の1と低く、去勢・避妊をしている犬ではリスクがほぼありません。

狂犬病予防接種はいつ行うのか?

狂犬病の予防接種の案内は毎年春に届くように全国の自治体が行っています。そして各自治体が集団で接種できる機会を設けています。

案内が来ると「やらなきゃ!」と思う人も多いですが、狂犬病の予防接種は1年に1回かならず行うものではありますが、前回接種してから1年後が接種の時期です。

なので必ずしも自治体で行っている予防接種に絶対、春に参加する必要はありません。

通っている動物病院や前回狂犬病の予防接種を行った動物病院から、愛犬の予防接種時期が近付くと、お知らせのハガキが届きます。ハガキが届いたらそのタイミングで狂犬病の予防接種を行うようにしましょう。

狂犬病はいつ起きてもおかしくない」

日本における犬の咬傷事故は届け出だけでも年に6000件以上発生しています。狂犬病の予防接種率は年々低下傾向にあり、報告されているだけでおよそ75%の犬しか接種出来てなく、届け出されていない犬も含めれば40%の犬しか接種できていないと言われています。

これはWHOが定める狂犬病を防ぐために必要なボーダーラインの70%をはるかに下回っています。私たち飼い主のモラルが愛犬を最悪な状態から守るだけでなく、人の暮らしをも守ります。

60年狂犬病の発症がないからと言って明日発症しないわけではありません。正しい知識を持って愛犬を守ってあげることが大事です。

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