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犬の殺処分ゼロを読み解いてみた。【現実から目を背けない】

ここ最近、ニュースなどでも取り上げられている嬉しい話題、犬の殺処分ゼロニュース。本当にすごいことです。

是非もっとこのニュースを取り上げてもらって、たくさんの人にこのニュースに関心を持ってもらいたいので今回は保護犬にスポットライトを当ててみようと思います。

犬の殺処分ゼロを読み解いてみた。

神奈川県、熊本県、札幌市の動物愛護センターで2014年度の犬の殺処分がゼロになり、神奈川県にいたっては2年連続でゼロ、しかも2014年度は猫に関してもゼロだということであちこちのニュースで取り上げられました。

札幌の動物愛護センターでは1972年の統計開始以来初の出来事です。うちの子たちも里子で、それぞれに物語を背負って今私とともに暮らしています。

(興味のある人は『私が犬の里親支援団体から里子を迎える3つ理由』をご覧ください。)

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犬の殺処分はペットブームの裏に潜んだ闇そのものです。

年間でおよそ15万匹以上の犬猫が保健所へ収容されています。迷子になって保護された子、飼い主が連れ込んだ子、野生で育った子、捨てられた子、本当に様々な理由で収容されています。

そのうち飼い主の元に返還される子が1万5千匹、譲渡されていく子が3万3千匹、そして13万匹近くの命が殺処分されています。

年々収容数は減っていますが、それでも13万匹もの命が人間の身勝手で処分されているんです。その現実をペットを飼うものとしてだけではなく、私たちは人間として受け止めなくてはいけないと思います。

今回のニュースのような殺処分ゼロという嬉しい出来事の背景には収容される犬猫の件数が減っていることもありますが、その陰にはたくさんのボランティアの協力や行政での努力がありました。

環境省の資料にこんな統計が出ています。


全国犬・猫引き取り数推移

dog1station-全国犬・猫引き取り数推移

※クリックすると拡大します。

この資料を見ても分かるように、収容される数は減っていますが、それでも依然、殺処分率は高いパーセンテージを保ったままです。

全国犬・猫の返還・譲渡数推移

返還数・譲渡数ともに年増えていて、ボランティアの頑張りが非常にわかりますよね。ボランティアの人の頑張りがあってこそ救われている命。

dog1station-全国犬・猫の返還・譲渡数推移

※クリックすると拡大します。

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

ボランティアの頑張りは行政を動かし、法律も少しずつ変わってきています。2013年9月の動物愛護法の改正では飼い続けるのが困難と判断される「相当な理由」がない限り自治体は引き取りを拒否が出来るようになりました。

そして2014年6月には環境省が将来的に殺処分ゼロにするための行動計画を発表しました。それでも、酷い人は本当にひどくて、行政が引き取ってくれなくなったら今度は人目につかないところに犬猫の大量放棄や大量遺棄を行うようになりました。

ニュースでもたびたび取り上げられているので、知っている人も多いと思います。もちろん業者も悪いですが、ペットをものとして扱いブームにしてしまった私たち全員が反省すべきことでもあるのではないでしょうか。

ペットを飼っている人の多くが、きっと最後まで犬や猫をかわいがってくれる人ばかりだと思います。きっとそういう人は動物を捨てるという考えもなければ、もしかしたら里子で犬や猫を引き取るという発想もないかもしれません。

私も中学の時に地元のスーパーで開催されていた保護動物の譲渡会にたまたま出会うまでは「譲渡」という制度があることを知りませんでした。その時は譲渡会で出会ったウサギに惚れ込んで家族として迎え入れて8年一緒にいましたが、それ以降譲渡会にであうことがなく、譲渡を考える機会もあまりありませんでした。

自立して初めてウエスティの保護犬を里子に迎えて以降は、現在2匹の元保護犬と一緒です。

(ウエスティの話に興味のある方は『犬の平均寿命と命の尊さ』をご覧ください)

最後に

もちろん現実として殺処分されている子たちがいることを知ってほしいのはありますが、その厳しい現実ばかりを突き付けて罪悪感たっぷりに責めることよりも、一匹でも多くの保護犬たちを知ってほしいです。

今一緒にいる愛犬を最後まで大事にしてほしいことと保護犬たちにもチャンスを与えて欲しいこと、これは私の願いです。今一緒にいる子たちが捨てられることがなくなれば、それだけでも殺処分される子は減ります。

今保護されている子たちにチャンスが巡って、いい人に出逢えれば、ボランティアがまた他の命を助けることが出来ます。今回のニュースは全国に広がる殺処分ゼロのスタートだと思います。

このニュースを一人でも多くの人に知ってもらえることが、大事な一歩の始まりです。



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